藤田保健衛生大学創立50周年記念事業の一環として、2012年に開設。
院内では「放射線センター」と呼ばれることがあります。
地上6階、地下1階の建物内には、PET-CT、CTやMRIをはじめ、放射線治療、核医学、血管撮影などの機器を各フロアに配置。患者さんのニーズの高いPET-CTも完備しています。
大学病院としてふさわしい放射線診療を提供するための施設として大きな役割を担っています。
- B1F、1F、2F
- 3F、4F、5F
3F
ハイブリッド手術室
血管造影とは、細いカテーテルを用いて血管内に、造影剤を注入して血管の形や血液の流れを知る検査です。
検査の説明
血管造影では、カテーテルを用いて血管像を映しだす検査のほかに、血管の狭窄部位を拡げる血管拡張術、直接、腫瘍を栄養する動脈にコイルなどを用いて閉塞させる、腫瘍に抗癌剤を直接送り込んで死滅させるなどの、血管内治療(Interventional Radiology:IVR)が盛んに行われています。
ハイブリッド手術フロアの特徴
5台のフラットパネル型血管造影装置(循環器用2台、頭頚部用・腹部用各1台、頭部・腹部兼用1台)を設置し、各科の需要に応えられる態勢となっています。
導入装置紹介
キヤノンメディカル IVR-CT
カテーテル血管塞栓術の精度を高め、さまざまなインターベンションに対応するためのシステムです。
フィリップス AlluraXperFD2
基礎的な末梢アンギオグラフィから複雑な肺,腹部,大動脈のインターベンションまで、フレキシブルなシステムとイメージングを行うことができる装置です。従来の血管撮影装置の4倍という高分解能で情報をとらえることができ、幅広い手技を高度に支援します。
頭部用血管造影装置(キヤノンメディカル INFX-8000V)と
循環器血管造影撮影装置(シーメンス AXIOM Artis zeeBC)
キヤノンメディカル INFX-8000V
シーメンス AXIOM Artis zeeBC
主に脳神経外科領域、循環器内科領域の検査で利用する装置です。これらの装置は、X線被ばくを少なくし、使用する造影剤量も減らすなど、患者さまの身体的な負担を軽減した検査・治療をすることが可能です。
4F
CT
輪切りの断面写真を撮影することで臓器や骨の内部構造を知ることができます。
CTフロアの特徴
320列面検出器CT3台、80列マルチスライスCT1台を設置し、被ばく低減技術による低被ばく・高画質画像を提供します。
CTとは
コンピューター断層撮影(CT)は、X線を体の周りを回転させながら照射することで、輪切りの断面写真を撮ることができます。単純X線写真では得られない臓器内部の情報を得るために現在では欠かせない検査の一つとなっています。撮影は、専用の寝台に寝るだけの簡単な検査となります。また、造影剤とういうお薬を使用することで臓器や血管をより詳しく調べることができます。
導入装置紹介
高精細CT装置"Aquilion Precision”
Aquilion Precisionは、従来に比べ面内・体軸方向にそれぞれ2倍の空間分解能が得られるCT装置です。 これまで検出不可能だった細かな生体情報を得ることができる世界で唯一の高精細CTにより、空間分解能を大幅に向上させることで、医療の現場に質の高い臨床画像を提供いています。
320列マルチスライスCT
2007年10月に世界で最初に面検出器型CTが当院に導入されました。この面検出器型CTは1回転0.275秒で16cmの範囲を撮影することが可能です。心臓検査、小児検査をはじめ多くの検査において、その特徴を生かし、より有益な画像を提供しています。
美しい3D画像
三次元画像処理ワークステーション20台を設置する3Dラボを設置し、3D画像を作成しています。あらゆる角度、方向から、臓器が立体的に手に取るように見えます。血管や臓器、骨など全身が対象となります。
Advanced intelligent Clear-IQ Engine (AiCE)
Deep Learningを用いて設計したCTの画像再構成技術です。ノイズ成分と信号成分を識別する処理を用い、空間分解能を維持したままノイズを選択的に除去することが可能です。これによって従来より低被曝で安定した画質を得ることができます。
Spectral Imaging System
Deep Learningの技術を組み合わせたデュアルエナジー技術です。デュアルエナジーCTでは、管電圧の異なる2種類のX線を用いることで、仮想単色X線画像の作成や、様々な物質の弁別が可能となります。これにDeep Learningを組み合わることにより、アーチファクトの低減やコントラスト向上等の高い画質改善効果を得ることができます。
5F
X線透視
X線で透視をしながら消化器系(胃・食道・十二指腸など)の検査を行います。
透視検査とは
一般撮影と同様にX線を用いる検査です。人体を透過したX線をTVモニタに映してリアルタイムで見ることをX線透視といいます。一般撮影と異なり、透視検査では連続的に観察できるため、さまざまな検査や処置の補助的役割としても用いられています。主な検査は、造影剤を用いた消化器系の検査(胃透視・注腸透視など)や内視鏡を用いた肺、小腸、胆嚢などの検査および、骨・関節の観察や骨折整復などを行っています。
導入装置紹介
島津社製 Safire
寝台との距離を最大150㎝までとることが出来るため、病棟ベッドから検査寝台へ安全に移動することが可能となりました。また、寝台が広いため、検査手技の妨げにもならないという利点があります。
キヤノンメディカル製 Ultimax
Cアームを搭載しているため、多方向からの観察が可能となりました。体位変換が困難な患者さまでも簡単に斜位像(頭尾方向や側面方向)が取得できるため、負担の少ない検査ができます。複雑な病変も正面から確認できるため、診断にも大変有益です。また、検査寝台の稼動範囲が広いため、患者さまは立った状態からでも検査開始が可能です。
全ての検査室において、床面積を広く確保したため、検査室内へ入室する医師や看護士のスペースが広くとられ、患者さまは安心して検査に臨める体制が整いました。