診療案内

診療の概要

放射線科の診療は大きく、画像診断とIVR(インターベンショナルラジオロジー)に大別されます。

画像診断

画像診断には多くのモダリティ(医療機器)があります。放射線診断医が中心となって行う画像診断にはCT(コンピュータ断層画像)、MRI(核磁気共鳴画像)、核医学、PET(ポジトロン断層画像)があります。
これらの画像検査を組み合わせて診断を行います。それぞれの病態にあわせて最適な方法で検査を行い、画像診断を通してあらゆる診療科をサポートします。画像診断を介して病院の質の向上に貢献することが放射線科の重要な仕事です。

画像診断

低侵襲で効率のよい最新の画像検査の導入

画像診断は技術の進歩が著しく、常に最先端の機器や検査法を取り入れ画像診断を行っています。高速撮像技術の導入による検査時間の短縮や被ばく低減への積極的な取り組みを実践しています。

画像検査の質の管理

画像の撮影条件、撮影のタイミング、造影剤投与の必要性など、検査法の指示を行っています。検査の際は常に検査室のそばに待機し、検査が安全かつ適切に行われていることを確認しています。造影剤投与に伴った副作用への対応も行っています。

画像診断、読影

放射線診断医のメインの仕事です。CT、MRI、核医学、PETなどの画像に対して読影を行いレポートを作成します。全ての診療科の画像診断を行い、病気の診断や病院の医療安全に貢献します。直ちに対応が可能な所見がある時は、主治医に緊急での連絡を行います。

IVR(画像下治療)

IVR(画像下治療)

IVR(インターベンショナルラジオロジー)は、日本語では“画像下治療”と訳されます。
身体を切ることなく、様々な画像(血管造影装置、CT、超音波装置)ガイド下にカテーテルや特殊な針、ガイドワイヤーを体内に挿入し、治療を行う低侵襲の治療です。患者さんの身体の負担を少なくして完治あるいは症状の軽減を目指す治療です。体幹や手足(四肢)など、心臓と脳の動脈を除く全身の各領域の血管や臓器に対する治療を行います。各診療科との密接な連携を保ちつつ、放射線科医が多くのIVRを担当しています。
具体的に担っている業務は大きく以下のようになります。

  • 肝細胞癌などの腫瘍に対する動脈塞栓術や頭頚部腫瘍の動注
  • 肺、腎臓等の動静脈奇形、脾臓、腎臓、膵臓領域などの動脈瘤の動脈塞栓術
  • 全身の脈管奇形(動静脈奇形、静脈奇形、リンパ管奇形、クリッペル・トレノーネイ症候群など)の硬化療法や塞栓術、
    オスラー病の診療
  • 全身のリンパ漏や先天性リンパ管異常に対する塞栓術
  • 臓器の膿瘍、異常液体貯留の穿刺ドレナージ(排液)術
  • 肺、肝臓、腎臓、骨などの腫瘍の経皮的生検術
  • 外傷などの緊急止血、術後出血の止血術
  • 周産期出血に対する子宮動脈塞栓術
  • 腎癌,肝癌のRFA
  • 今後開始予定の手技:RFA(ラジオ波)による肺癌、骨軟部腫瘍の治療
    TIPS(頸静脈的肝内門脈静脈短絡術)

当科のIVRの特色

慶應義塾大学病院から井上政則が教授で赴任したことにより、他院からの紹介患者が増えております。井上政則は内臓動脈瘤(腎動脈瘤、脾動脈瘤、膵アーケード瘤)の塞栓術や肺動静脈奇形の動脈塞栓術、四肢や体幹の動静脈奇形、難治性リンパ漏の塞栓術、オスラー病の診療では学会をリードする立場にあり、過去にも他施設から患者さんの紹介を多く受けてきました。
特に体幹部の動静脈奇形の治療や肺動静脈奇形の治療では、他院で治療困難であった症例の紹介も受けて治療も行ってきました。術後リンパ漏やゴーハム病やヌーナン症候群、先天性心疾患後の蛋白漏出性胃腸症などのリンパ異常に対する画像下治療も先進的に取り組んでおり、国際的に高い評価を受けています。
お困りの患者さんはぜひ、当院放射線科のIVR外来にお越しください。セカンドオピニオンも受け付けております。

診療業績(年間[検査]件数)

2024年

CT 78,290
MRI 27,800
PET 3,210
SPECT 4,260
IVR 840
放射線
治療
880

2023年

CT 72,250
MRI 26,100
PET 3,800
SPECT 3,760
IVR 770
放射線
治療
1,110

2022年

CT 69,500
MRI 24,900
PET 3,170
SPECT 3,670
IVR 570
放射線
治療
1,410

2021年

CT 67,600
MRI 23,500
PET 3,200
SPECT 3,800
IVR 720
放射線
治療
1,340

2020年

CT 65,300
MRI 24,000
PET 2,800
SPECT 3,700
IVR 600
放射線
治療
1,040

患者さんへ

2024年よりIVRを専門とし治療経験も豊富で日本のみならず世界を牽引する井上政則が教授に赴任しました。
これにより多くの病院から脈管奇形、オスラー病、リンパ漏、Budd-Chiari症候群など様々な治療困難である患者さんをご紹介していただいております。セカンドオピニオンも受け付けておりますので、お困りの方はぜひIVR外来へお越しください。また日本最大級の病床数を誇る当院では画像診断、放射線治療に関しても数多くの診療経験を有します。放射線科診療を通じて患者さんのサポートをさせていただければ幸いです。

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